名刺を渡してからしばらくして、件の女性からメールがあった。
- 『先日のレストランでの催眠が良かったので、もう少しかかって見たいと思います。』
とのこと。
実に好都合な展開だ。
相手からアプローチがあったので、ここは一気に承諾を取ってしまいたい。
- 「お話したとおり、深く誘導するためには人目のない静かなところで行うことになりますので、ラブホということになりますよ。」
と切り出すと、
- 『カラオケで何とかなりませんか?』
との対抗案を出されてしまった。
ラブホを承諾するということは、催眠以外の行為も承諾することになるという意識か、安く思われたくないとの意識か何れかだろう。
実際にカラオケボックスを誘導場所に使ったことはあるのだが、監視カメラがあるので店員からいつ横やりが入るかと懸念しなくてはならない。
そのため、充分にある下心を別にしたとしても避けたいところであるが、「何がなんでもラブホにしたがっている」と被験者に思われては、誘導前に失敗が決まっているようなものだ。
- 「カラオケでも不可ではありませんが、監視カメラがあるのでお店側に怪しまれたり、注意されたりする可能性がありますよ。」
- 『わかりました。』
- 『そのときは仕方ないです。』
やむなく、誘導場所はカラオケということで、次に会う約束をした。
彼女は1人でスカート姿で現れて、僕の中の第一ハードルはクリアした。
カラオケ店に入って、ソファに並んで座って、最初の飲み物が運ばれて、店員が去った時点で誘導に掛かる。
- 「今日はどんな催眠にしましょうか?」
- 『先日はレストランでほんの少しだったので、もう少し掛かってみたいことと、できればイヤなことを忘れたいです。』
- 「では、まずは催眠自体を体験していただきましょう。」
- 「お話したとおり、催眠は被験性で大きく様子が変わります。」
- 「深い催眠に入れて健忘が効くかどうかは、貴女の被験性次第ということになります。」
軽く説明して誘導体制に入る。
部屋の隅にある照明を指差して暗示を開始する。
- 「あの照明を見ていただけますか?」
- 「あの照明をじぃーっと見ていると、貴女の意識があの照明に集中してきます。」
- 「さらにじぃーっと見ていると、だんだん瞬きが多くなってきます。」
- 「瞬きが多くなって、眼が疲れて開いていられなくなってきます。」
- 「ほら、眼が疲れて重くなって、閉じてしまいます。」
続いて深化させる。
- 「まぶたの次は頭が重くなってきます。」
- 「重くなって頭がガクンと前へ倒れてしまう。」
- 「頭の次は、身体自体が重くなってしまう。」
- 「3つ数えると、貴女はもうソファから立ち上がることができない。」
ここまでの誘導は全く問題なく、イメージしたシナリオどおりに進んだ。
さらに禁止暗示を連発する。
- 「立てるけど歩けない。」
- 「テーブルに乗せた自分の手を持ち上げることができない。」
- 「壁に付けた頭を前に出せない。」
全てうまく行ったので、少し接近する暗示を試してみる。
- 「貴女は挨拶されると、握手をします。」
そのように暗示して、半覚醒してから効果を確認する。
- 「B子さん、これからもよろしくお願いしますね。」
挨拶と同時に右手を出すと、軽く握手してくれた。
すかさず禁止暗示を加えて、ぎゅっと握ってみた。
- 「はい!この右手はもう離すことができません。」
- 「握手したままもう離れません。」
右手を軽く振り回しても、離すことはできず、少し驚いた表情を見せている。
そこで、ふいに強く右手を引いて抱き寄せてみると、彼女は僕の膝の上に倒れこんだが、強くあわてる様子でもなく右手が離れることもなかった。
実は、そのときに僕はすでに勃起していて、彼女はズボン越しにそれを察知したはずだった。
こちらの心持ちを悟らせた上で、さらに接近する暗示を試してみる。
- 「貴女は右手で自分の左肩を、左手は右肩を掴んで離すことができません。」
- 「1、2、3!」
これで彼女は、自分で両肩を掴んだまま動けなくなり、抵抗することはできなくなった。
- 「貴女は、僕が素敵な貴女にドキドキしている気持ちをわかっていますよね。」
- 「今の貴女は僕に何をされても一切抵抗できませんから、それを良いことに貴女に触ってしまいますよ。」
彼女の様子をうかがいながら、下半身にアプローチしてみる。
- 「まずは、膝に触ってしまいます。」
- 「次は太ももかな。」
- 「さらに腰。」
- 「そしておなか。」
まずは軽く触ってみる。
触られてイヤなら、両手の禁止暗示など解けるはずだし、声で拒否することもできる。
そして、核心に迫る。
- 「3つ数えると、貴女は自分の足を自分の意思で動かせなくなります。」
- 「僕が貴女の足の位置を決めたら、そこから全く動かせません。」
- 「1、2、3!」
暗示と同時に彼女の両膝を45度くらいに開いた。
- 『あっうっ・・』
- 「女の子がこんな格好して恥ずかしいね。」
- 「でも動かせない。」
さらに追い打ちを掛ける。
- 「スカートの中に手を入れちゃおうかな。」
- 「貴女の両手も両足も固定されてるから抵抗できないね。」
- 『・・・』
困った表情は見せるものの、具体的な抵抗はないので、スカート内部に侵入することにした。
膝から徐々に中心部に向かって進むことにする。
- 「まずはお膝。」
- 『あっ・・』
- 「次は、太もも。」
- 『はっっ・・』
さっきよりもイヤらしく、一進一退で時間を掛けて徐々に大段に触ると、彼女の息づかいが荒くなってくる。
- 「もしかして、触ってほしいところがあったりして?」
- 『・・・』
- 「多分ここじゃないかな?」
- 『ああっ!』
一瞬だけ中心部に触れたら、期待通りのリアクションがあった。
- 「ここはカラオケボックスだからね。」
- 「監視カメラで見られているかもしれないからね。」
- 「これ以上はムリだね。」
- 「場所を変えようね。」
- 『・・・』
彼女はわずかにうなづいた。
(終わり)