二人で地下鉄に乗っていた。
車内はとても空いていて、僕たちの周辺には人がいなかった。
会話が途切れて正面を向いている彼女の耳元で囁いた。
- 「愛してるよ」
首、肩、背中とみるみる力が抜けてゆき、前に倒れそうになったので、慌てて反対の肩に手を回して抱き寄せた。
今、僕に寄りかかってぐったりとなっている。
そこで耳元でこう囁いた。
- 「さぁ、あたりがだんだん静かになっていく。」
- 「もう僕の声しか聞こえない。」
- 「今から君の中にリモコンローターを入れてあげるね。ほら!」
僕はスカートの上から彼女の股間を一瞬だけ押さえつけた。
- 『はっ・・』
- 「僕が君の目の前で指を1回鳴らすと、このリモコンローターのスイッチが入るよ。」
- 「2回鳴らせばスイッチが切れる。」
- 「3つ数えると、君は目を開けることができるが、ローターは入ったままだよ。」
- 「1,2,3!」
彼女はぼんやりと目を開けた。
その直後、
- (パチン)
- 『はぅ・・』
小さくうめき身悶え始めた。
下車駅が近づいたので、ローターのスイッチを切ることにする。
- (パチン、パチン)
- 『・・・』
ホームに着いて地下鉄を降りた。
ホームから改札までの階段を昇っている時に、再びスイッチを入れてみた。
- (パチン)
- 『きゃっ・・』
彼女はその場にしゃがみこんでしまった。
回りの注目を集めたことはいうまでもない。
(終わり)