僕が最初に催眠を掛けた彼女は瞳と言った。
ある日、仕事の帰りに瞳の部屋に寄って見たら、瞳の友人の千恵子が遊びに来ていた。
僕が来たので、千恵子は気を利かせて帰ろうとしたが、瞳が僕のことを千恵子に紹介して3人での夕食を薦めると千恵子はそれに同意してくれた。
千恵子は大手企業の受付の仕事をしているだけあって、ほっそりとした身体と美しい顔立ちをしていた。
瞳の部屋で食事を済ませ酒も進んできたころには、千恵子と僕もかなり打ち解けてエッチな話題も多少混じって楽しく会話が弾んだ。
- 《菅野さん、聞いてますよぉ。催眠術がおできになるんですって?》
- 「ええ、多少。」
- 《催眠でエッチなことしてるんじゃないですかぁ?》
そう言って、千恵子はちょっと意味ありげな視線を僕たちに送った。
瞳は恥ずかしそうに視線を外してトイレに席を立ったので、千恵子に確信させてしまったかもしれなかった。
- 《私も掛けてもらおうかしら?》
- 「簡単な実験してみましょうか?」
- 《実験?》
- 「このライターの火を良く見ていてください。」
- 「じーっと見ていると・・・」
千恵子の目の前にライターをかざすと、比較的素直に誘導に応じた。
恐らく、酒を飲んでいることと瞳がすぐそばにいることが安心材料だったのだろう。
凝視による誘導はあっさり成功して、閉眼させることができた。
- 「さぁ、3つ数えると貴女の上半身から力が抜けます。」
- 「1、2、3、ほらスーっと抜けます。」
千恵子は脱力して椅子にもたれ掛かり、頭を前に倒してぐったりとしてきた。
- 「さぁ、貴女はこの気持ちの良い世界にいつでも入ってくることができますよ。」
- 「貴女は僕に見つめられて、”ステキですね”と言われると、いまと同じようにこの世界に入ってくることができますよ。」
- 「3つ数えると、一旦目がさめますよ。」
- 「1、2、3!」
瞳がトイレに行っている4~5分の間に後催眠暗示を残して覚醒まで行った。
トイレから戻ってきた瞳が千恵子の様子を見て僕を責めた。
- 『千恵子に何したのぉ?』
- 「ちょっと催眠を体験してもらったんだよ。」
- 「千恵子さん、僕は貴女に何か悪いことしましたか?」
- 《いえ、何もされてないと思いますが・・》
- 「気持ちよかったでしょう?」
- 《ええ、これって催眠なんですか?》
- 「かるーい催眠ですよ。」
僕は、千恵子も被暗示性が高いことがわかって一人ほくそえんだ。
千恵子は僕の左側に座っていたが、瞳が戻ってくると千恵子と僕の間に割り込むように座った。
僕のすぐ左に瞳で、その向こうに千恵子である。
- 《転寝していたみたいで気持ちよかったですよ。》
- 《でも、私はどんな様子だったのかしら?》
- 「ただ座ってゆらゆらしていただけですよ。」
- 《他の人が掛かっているところを見てみたい気がします。》
何と好都合な発言だろう!
すぐに瞳を催眠に誘導した。
瞳は千恵子の方を向いて千恵子の話しを聞いていたので、僕は千恵子の右耳に向かってささやいた。
- 「瞳、愛してるよ。」
瞳の表情は見えなかったが、千恵子が瞳の変化に気づいたようだ。
その千恵子の表情で暗示の効果がわかった。
すぐに背中を支えて深化させていく。
- 「さぁ、3つ数えると・・・」
千恵子は瞳の様子にくぎ付けになっている。
瞳を深化させてそのまま後ろに倒して寝かせたあと、
- 「千恵子さん!」
僕が呼びかけると、ハッとした様子で僕を見た。
目が合ったときにすかさず、
- 「千恵子さん、ステキですね。」
- 「とってもステキですよ。」
- 《・・・》
千恵子の目の焦点が合わなくなった。
すぐに千恵子のそばに寄って、支えられるように準備した。
- 「ほら、全身から力が抜けて、気持ちの良い世界に入っていきます。」
- 「3つ数えると・・・」
深化させると無防備にぐったりとなった。
瞳も千恵子の向こうで横になってぐったりとしている。
- 「さぁ、千恵子さん、貴女は今度目を覚ましたときに、いまから起こることを全て忘れていますよ。」
- 「いまから僕が貴女にキスをすると、貴女もそれに応えますよ。」
無防備な千恵子に軽くキスすると、千恵子はそれに感じたように反応する。
僕は千恵子の唇をひとしきり楽しむと、覚醒させることにした。
- 「さぁ、千恵子さん、貴女は催眠中のことをすっかり忘れて目を覚ましますよ。」
- 「ほら、1,2,3!」
千恵子はぼんやりと目を開けた。
続いて瞳も覚醒させた。
覚醒後、瞳も千恵子もまだぼんやりしていた。
完全覚醒をしていないのとお酒の力もあったのだろう。
時計の針を見るともう23時も回っていた。
千恵子が催眠に興味を示していてなおかつ彼女の被験性を知ってしまったので、僕はもう少し二人の女性を相手に催眠で楽しんでみたいと思った。
- 「さぁ瞳、軽く目を閉じてごらん。」
- 「いまから僕が3つ数えると、再び気持ちの良い世界に入っていくよ。」
- 「1,2,3!」
- 『・・・』
すぐに脱力してくる。
- 「さぁ、今度3つ数えると、君は僕と千恵子さんが下着姿に見えるよ。」
- 「1,2,3!」
瞳は目を開けると驚いた表情になり、両手で顔を覆った。
- 『やだぁ、どうして二人とも裸でいるの。何しているの?』
瞳の様子を見て千恵子が笑った。
- 《瞳には私たちが裸でいるように見えているのですね?》
- 「そうですよ、僕たちが裸でいるので不思議に思っています。」
- 「瞳、君だけが服を着ているのはヘンじゃないか?」
- 「僕と千恵子さんは暑くて服を脱いだ。」
- 「さぁ君も脱いでごらん」
- 『でも、恥ずかしいわ』
- 「服を着ているほうが恥ずかしいじゃないか?」
- 「ここは君の部屋だから、さぁ脱いでごらん。」
瞳は僕にうながされてゆっくりと服を脱ぎ始めた。
千恵子の様子を見ていると、催眠の効果に驚きながら自分自身も気分がエッチになっているに違いなかった。
瞳はショーツ1つの姿で恥ずかしそうに僕に寄り添った。
- 「これで全員裸になったね。」
- 「瞳、僕が今から指をパチンと鳴らすと、君は僕とのSexを思い出すよ。」
- 「ほら!」
- (パチン…)
- 『・・・』
- (パチン…)
- 『・・・』
- 「そして、だんだん欲しくなってくる。」
- (パチン…)
- 『あぁ…』
瞳は体を前に屈ませて、太ももをぐっと寄せている。
- 「今度指を鳴らすと、君は僕を欲しくなってたまらくなるよ」
- (パチン…)
- 『あぁ、お、おねがい…』
- 「どうして欲しいんだ?瞳」
- 『…ほ、ほしくなってきちゃったの』
- 「友達の見ている前で僕を求めるなんて、君はなんて大胆なんだ?」
- 『ごめんなさい。でも…私…』
- 「いいかい、手をこうしてごらん。」
瞳に右手を軽く握らせて筒状にさせた。
- 「さぁ、いまから3つ数えると、君の右手は君のワギナだ。」
- 「3つ数えるとそうなるよ。」
- 「1,2,3!」
- 「さぁ、いまから君の欲しいものをあげよう。」
- 「僕が君の中に入るよ。」
僕は軽く握った瞳の右手の中に指を入れた。
- 『あぅ・・』
- 「ほーら感じるだろう?」
- 『あっ、あっ。。』
瞳は体をうねらせている。
- 「今度は君の一番感じるところを突き上げるよ。」
- 「そうすると君は逝っちゃうよ。」
- 『あっ、あっ、あっ。。』
僕は、瞳の右手の中で指を強くかき回した。
- 『んっっっ』
瞳は、声を押し殺すようにして身体を痙攣させた。
- 「さぁ瞳、とっても気持ちいいね。」
- 「頭の中が真っ白でステキな気分だ。」
- 「そのままこのステキな感覚を楽しんでいなさい。」
僕は瞳の身体を横たえて、いまの一部始終に釘付けになっていた千恵子に話し掛けると、千恵子ははっとした様子で我に返った。
- 「千恵子さん、驚きましたか?」
- 《ええ》
千恵子は恥ずかしそうに顔を伏せたが、すっかり赤らめて興奮状態にあるのがはっきりわかる。
- 「千恵子さんも瞳みたいな擬似エッチを体験してみたいとは思いませんか?」
- 《でも、瞳の彼の前でそんなこと…》
- 「大丈夫ですよ。」
- 「僕と貴女が実際にエッチなことするわけではありませんし、今日のことは僕たちの秘密にしますから。」
- 《でも…》
僕は千恵子の肩にそっと腕を回して囁いた。
- 「千恵子さん、ステキですよ。」
- 「貴女はとってもステキですよ。」
千恵子は躊躇いがちではあったが、体重を僕に任せてきた。
- 「数を逆に数えていくと、ふかーい世界に落ちていきますよ。」
- 「10,9,8・・・」
- 「ほらすっかり気持ちの良い異次元の世界です。」
- 「さぁ千恵子さん、この異次元の世界では着る物は不要です。」
- 「さぁ、服を脱いでごらんなさい。」
千恵子はぼんやりとしたまま服を脱ぎ始めた。
下着姿になった千恵子は思った以上にスタイルがよく、豊満な胸が華奢な体に似合わず印象的だった。
- 「千恵子さん、この異次元の世界はちょっとエッチな世界です。」
- 「この世界がとってもステキだということだけが貴女の心の中に残ります。」
- 「貴女はまたこの世界に戻ってきたいと思うようになります。」
- 「それ以外のことは、今度目が醒めたときにすっかり忘れてしまいますよ。」
カバンからデジカメを取り出して、僕は裸の二人を撮った。
ひとしきり撮影すると、2人を同時に覚醒させた。
(終わり)