
最近、首題の質問メールをいただきました。
もちろん当HPですから性的欲望を前提としたお話です。
「初めてお越しの方へ」と「Q and A」に類似の記事がありますが、もう少し詳しく記載してみます。
まず、Googleなどで検索すれば一般的な認識の傾向はすぐにわかるでしょう。
それは「暗示で被験者の意思を無視したことはできない」というものです。
一般的にはそれで正しいかもしれませんが、実際には1930年ごろのドイツでそれをはるかに超える「ハイデルベルヒ事件」が起きています。
私が最初に同事件を知ったのは藤本正雄氏著の「催眠術入門」という書籍です。
のちに複数のTV番組で同事件の内容が放送されましたので、ご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
同事件では、誘導者が自分のみならず第三者の男性からのSexの要求にも被験者に応じさせて、警察の捜査が入った際には誘導者に不利な情報が被験者から漏れないようにあらかじめ対策を取り、その一切の記憶を被験者から消し、最後には被験者の配偶者や被験者自身を殺させようとするという、文字通り被験者の全てを操っていたと言っても過言ではないものでした。
銃に弾が入っていなかったり、知人に止められたり、または幸運が重なったりで殺人と自殺は失敗していますが、引き金を引く、毒を飲ませる、バイクのブレーキに細工をする、橋から飛び降りようとするなど誘導者が暗示した多くの計画を実行に移していますので、成功していた可能性も十分ありました。
警察が依頼した別の誘導者による1年半にも及ぶ退行催眠施術によって、やっとその事件の全貌が明らかになったそうです。
ここまでのところでは、催眠の威力を強く感じるところだと思います。
ところが、同事件での誘導者と被験者のとの関係は、体調不良の被験者が電車内で誘導者と偶然出会い、誘導者が短時間で被験者の体調を回復させて、その後医師と患者という関係で7年間に渡って継続して巧みな誘導をくり返したこと、誘導者の催眠技術と被験者の被験性が極端に高かったことなどが強く影響して、言わばこれ以上はないとも言える理想状態だったと推測されることから、極めて異例と言えそうです。
以上の実績から、首題の質問に単純にできるできないで答えれば「できる(可能性がある)」ということにはなりますが、「世界トップレベルの技量を持った誘導者と極めて高い被験性を持った被験者の出会いをもって」という注釈付きになります。
例えば、医師ならば誰でも難病の患者を治せるかと言えば、医師にも技量レベルや患者の病状に対する得手不得手もあり、治せるとは限らないことは容易に理解できると思います。
催眠術師だからといって、どんな暗示でも成功させることができるとは限りません。
現実路線で考えるとどうでしょう?
催眠では、被験者が意識または無意識で「そうなっても良いかな・・」と許容できる範疇のことしか行えず、恐らく多くの男性が夢見るであろう女性を意のままにするなどということは、少なくても直接的または短絡的な催眠暗示で実現することは不可能だと思います。
では官能シーンにおいて催眠は無力かといえばさにあらずで、被験者の「そうなっても良いかな」の中で少しずつ誘導者の意図する方向にずらしていくことができます。
具体的には、「貴女は私が好きになる」とか「Sexしたくなる」という暗示は失敗しますが、「貴女は私の顔を見ると笑ってしまう」とか「私と握手したくなる」という暗示は高い確率で成功します。
それが成功すれば、「頭を撫でられるととっても嬉しい」とか「耳に触られるとぞくそくする」、あるいはさらに核心的な暗示に被験者の反応を見ながら進めることができます。
結論としては、貴方が世界トップクラスの誘導者でない場合は、「女性を意のままに操れるわけではないが、官能催眠は実践可能である。」ということになります。
ハイデルベルヒ事件をテーマにしたTV番組の動画をご覧いただくことができます。
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